発行日:2005年09月06日
遠藤 毅 氏
 
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ウェッヂの表面仕上げの種類と効果 パート3
 いまでは、ノーメッキウェッヂの表面処理としては立派な市民権を確立したかのような、浸透ぶりを見せるガンブルー処理です。軟鉄や一部のステンレスや他の素材でも、ノーメッキの地肌を錆から守るために、素材の表面に薄い皮膜を作る処理のことをガンブルーといっているのです。このガンブルーはそもそも銃などのボディを錆から守るために施された防錆剤なのです。その手法をゴルフクラブのヘッドに用いたものが、ガンブルー処理として普及されたのです。この黒い皮膜を持つガンブルー処理は、鉄などの地肌に染色する際に最初は薄いブルーに染まって行き、徐々にその色が深く染まって行く過程の中で、色素が深まって黒く見えるのです。その染まり始めの青みがかった色合いと、良く使用されていた銃などから、ガンブルーと呼ばれるようになったのです。
 このガンブルーも所詮金属の表面に極薄い皮膜を作っているだけなので、常にオイルなどの保護油を施していないと湿度の多い日本では直ぐに錆びてしまう上、摩擦には弱いのでゴルフのショットではソールや打点面などは直ぐに素材の地肌が出てしまいます。その場合は、専用の補修剤でガンブルーの皮膜を再生します。ごく最近までは「スーパーブルー」という銃砲店などで販売されていたものを使用していたのですが、この商品は、酸化皮膜を利用してガンブルーに染めるので、その酸が比較的強いものなので、使い慣れないとその酸に素材が犯されてよけい錆を誘発してしまうこともありました。
 「ゴルフクラフト バウンス」(問い合わせ:TEL 045-560-3496)がお勧めしているガンブルーウェッヂの補修剤である「F-1シリーズ」。水溶性なので使用方法が簡単な上に、誰にでも失敗が少なくガンブルーに染められる溶剤のキットになっています。
 ガンブルーの補修剤は、最近では色々と発売されてきていますが、お勧めは水溶性の補修液です。水溶性なので、塗りすぎても錆がよけいに出ることもありませんし、使用方法もいたって簡単なのです。部分塗りは勿論のこと、濃縮の水溶性なので溶剤を指定どおりに薄めれば、ヘッドごと漬け込み染色が可能なので、染色のむらなどを気にすることもないのです。ノーメッキウェッヂのガンブルー処理のメンテナンスには、絶対水溶性の溶剤がおすすめです。
 最近では、トンと見かけなくなったオイルキャン仕上げ。ノーメッキウェッヂのヘッドが黄金色に焼けたような色合いを見せていたオイルキャン仕上げは、そのなんとも不思議な色合いがマニアに受けていたのですが、所詮ノーメッキなのでよほどのお手入れを施していないとやはり錆に犯されてしまい、その錆の色とオイルキャンの色合いが同化してしまうので、せっかくのオイルキャン処理がなんだかわからなくなってしまうので、徐々にその人気に陰りを見せたのです。
 オイルキャンの方法は、ヘッドを高熱のガスバーナーなどで表面が熱によって変色するくらい過熱して、そのヘッドを特殊なオイルの中に一気に漬け込むことで、加熱した熱むらと急激にオイルの中で冷やされる際の冷却むらから起きる変色が独特の色合いを醸し出しているのです。ヘッドのやけ具合がひとつひとつ違っているので、同じものが出来ないスペシャル感もあるのが魅力のひとつだったのですが・・・。個人でもオイルキャン仕上げを再生することは可能ですが、その手法には特殊なオイルや火気を使用するために、危険が伴うのでオイルキャンの補修は専門家に依頼することをお勧めします。再処理の価格も馬鹿にならないので、ガンブルー処理に変更する方が賢明かもしれません。
写真提供:ネコ・パブリッシング社「ゴルフギア」誌