発行日:2005年11月07日
遠藤 毅 氏
 
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「神の手」が造る軟鉄鍛造アイアンの奥深き造形美。
 現在では、アスリートモデルに多く採用されている軟鉄鍛造アイアン。真っ赤に熱した軟鉄の棒を、数100トンの荷重をかけてアイアンの形状に成形する軟鉄鍛造製法。一体鍛造では、オス型とメス型とで成形するために、形状の自由度が限られるので、キャビティバックアイアンでは最近流行のアンダーカットやポケットキャビティのような堀の深い形状は物理的に成形できない。そのために、一体成形ではキャビティ部分の浅い上級者仕様のモデルしか造形で着ないのです。最近では、大手メーカーの軟鉄鍛造アイアンはステンレス&チタンフェースの鋳造アイアンのように、フェースとボディを分離させて成形した軟鉄鍛造アイアンを作るところもでています。
 今や軟鉄鍛造製法は世界的に見ても限られたところでしか造れない希少な生産技術なのです。ゴルフクラブ業界を見てもお判りのように、現在のアイアンの多くはステンレスなどで成形されたものばかりです。軟鉄鍛造アイアンは先ほどお伝えしたように、アスリートモデルや地クラブなどの一部のモデルにしか採用されていません。その生産地もほとんどが我が国なのです。但し、一部の製品は台湾や中国で生産されたものもあります。しかし、軟鉄鍛造で成形した上級モデルのほとんどは兵庫県姫路市や新潟県燕市で作られているのです。姫路地方は、元々農業などに使用する機材を製造する鍛冶屋やその職人が多く古くからそれらの生産が営まれていた所であり、一方の燕市は洋食器などの生産で栄えていた所なのです。それらの技術を生かしてゴルフクラブの産業を興して、今ではどちらもクラブの名産地になっているのです。
 そのなかでも、軟鉄鍛造アイアン製法として世界的に名を博しているのが姫路市にある株式会社 三浦技研です。独自の軟鉄鍛造技術を開発し、本来精密とされている鋳造製法に勝るとも劣らない精密鍛造を駆使して、多くの名アイアンを作り出しているのです。その中でも有名なのが、プロデビュー当時のタイガー・ウッズが使用していたタイトリストのアイアンを製作したのが三浦技研であり、研磨したのが三浦技研の代表でありその世界では巨匠といわれている三浦勝弘氏なのです。軟鉄鍛造アイアンの要は勿論その鍛造技術の精度や密度の確かさにありますが、元来鍛造によって製造されたアイアンヘッドは形状を成形(表面を整えて)して始めて生産品になる(鋳造品も同様です)のです。その研磨技術の確かさを応用しながら上級者やプロなどの好みの顔や機能を盛り込んでいくわけです。この研磨技術の妙といったら、それは正に見たことのある人でなければ表現し難いほど巧みであり華麗に削り上げるのです。それは正しく「神の手」の領域といっても過言ではありません。ここに掲載したアイアンのヘッドはその代表モデルである「ミウライズム・シリーズ」です。その造形の美しさ、そしてキャビティ部分のエッヂがはっきりと描き出されているところなどは、三浦技研ならではの鍛造技術の高さを伺わせる最たる所です。
 さて、その三浦技研の無料フィッティング・イベントが来る11月26日(土)と27日(日)の両日の10時から17時の間、梅里カントリークラブ(神奈川県横浜市港北区日吉3-18-4)に於いて開催されます。当日は同社の持つ世界初ともいえる本格的な研磨設備を備えた大型サービスカーが来場し、その場で鍛造しただけの種型から好みの形状にウェッヂを削ってもらえたり(これは有料です) 、先のミウライズム・シリーズを好みのシャフトで、長さ、バランスを整えて試打が行えたり出来ます。勿論、「神の手」といわれる三浦勝弘氏をはじめ、三浦技研の各セクションの先鋭スタッフが結集しますので、その妙技を見学できる貴重なイベントといえるでしょう。ミウラファンを始め、軟鉄鍛造ファンは勿論のこと、ゴルフクラブに興味のある方には必見のイベントです。お見逃しなく!
お問い合わせはゴルフクラフト バウンス(TEL:045-560-3496)までどうぞ。
写真提供:ネコ・パブリッシング社「ゴルフギア」誌